Ryota Akiyama

BTF

建築現場で鋼材にグラフィカルな錆が付着している状態を発見した。鋼材どうしを繋ぐときに接合部に錆加工を施すことにより摩擦係数が増し、より強固に部材を固定することができるようだ。錆のイメージは素材が朽ちていく過程の現象だと考えていたが、錆びるというネガティブな現象にも機能を持たせる事ができるのだと気づき印象が反転した。

錆びると言う現象は人の手によって生成された鉄が、鉄鉱石の状態に戻ろうとする現象である。素材の変化に逆らわず、一度人の手から離れることで育む金属のプリミティブな現象に、均質にレーザーで加工を施し、錆た表皮の一層を削り取ることで露出する、コンマ数ミリの積層の中にある様々な時間軸を露出させた。

機能性、合理性を求められる規格化された銅材を錆させ、サーフェースとして錆を機能させる事により、イメージの範囲内の構造からの解放を促し、異なる時間軸が一つのマテリアルにグラデーションのように存在することで、自然界における物質のあり方と人工物としての責任が共存するオブジェクトを目指した。